第二回 研修会 (ヘルパー事例検討)
テーマ  「生活リハビリと福祉用具」
日 時   平成16年8月8日  午前10時から午後4時

プログラム

10時00分
開会
会長挨拶
研修オブザーバー紹介 
千葉大学看護学部 川添裕子先生

10時10分
事例検討会 グループワーク開始
テーマ「生活リハビリについて」
担当 亀田ホームケアサービス 茂原

11時10分
グループワーク発表

12時00分
フリートーク
講評

12時30分
昼食・休憩

13時30分
講義T「在宅でのリハビリについて」
講師 理学療法士 西山晴彦先生

15時20分
講義U 「福祉用具について」
講師 ライフケアタカサ 福祉用具担当者

16時00分
閉会

   
             事例検討会 担当  亀田ホームケアサービス 茂原

事例紹介(要約)
事例T 60歳代 女性 介護度1 
ADLはほぼ自立 失語症のためコミュニケーションが困難なときがある。
一人で留守番が多いため日常生活支援を、生活リハビリとして一緒に行っている。
 
事例U 90歳代 女性 介護度5
寝たきりでいたが、車椅子移乗をきっかけにベッド上の生活よりも意識レベルの向上が認められてきた。
家族も車椅子で外へ連れ出すなど生活範囲が広がった。
 
事例V 70歳代 女性 介護度5
痴呆でいつもボーとていたが、手足を動かし、車椅子に移乗し散歩に出るようになると、意識レベルが向上した。
遊びリハビリを続行している。
 
事例W 50歳代 女性 介護度1
右手が不自由なため、なんでもヘルパーに依存していたが、いっしょに家事をやるようになると、左手に力が付いて利き手交換ができた。意欲がでてきてなんでも挑戦するようになった。
 
事例X 60歳代 女性 介護度2
痴呆の夫と二人暮らしで生活意欲をなくしていた。ヘルパーに声かけられながら家事をすることによって、生活リズムが一定し、みずからへルパーの訪問を依頼するようになった。
 
事例Y 80歳代 女性 介護度5
嚥下困難があり寝たきりだったが、口から形のあるものを食べることにより嚥下訓練が可能になり普通食が食べられるようになった。
そのため生活意欲が高まり医師から在宅療養は無理といわれたが一年以上元気で暮らしている。
ホームヘルパーとして、その時々の生活目標を利用者と共有・共感しながらケアすることがヘルパーにできる「生活リハビリ」ではないかと考えることが出来た。
   
      グループワーク発表
1グループ
 生活リハビリを日常業務の中で行われていない。利用者がやるのを待てずやってしまう。
利用者は全部ヘルパーにやってほしいという。施設でも手を貸しすぎてしまう。
もっと利用者の一日の流れを考えながらプランをたてなければならない。
ヘルパーの声かけ、態度、コミューケーションと利用者の能力の見きわめが大切と思う。
 
2グループ
 事例Tでは、「利用者と一緒にやる」ことで意欲を引き出している。
事例Uでは利用者の残存能力を引き出し意欲に結び付けている。
利用者のADL向上が家族関係にも良い影響を与えている。
事例Vでは痴呆の利用者を普通の人として関わったことがよかったのではないか。
生活のメリハリが心身ともに向上したと考えられた。
事例Y食べるという行為で生活意欲を引き出している。
在宅での生活は医療・治療以外の関わりが重要と感じた。
3グループ
 利用者との信頼関係を築くには、傾聴、コミニューケーションで利用者の気持ちを聞き取る努力が大切。
業務をしながら生活リハビリの理解を深めていき、関わるヘルパーの意識も向上させなければならない。
4グループ
 利用者はヘルパーに全面的な依存が多い。利用者が出来ないことを援助する姿勢が大切だか、実践では時間がないためできない。ヘルパーに差がありケアマネの期待にこたえられない。
5グループ
 利用者が危険と何でも行動を制限してしまうと、かえって生活意欲の低下になってしまう。
調理・掃除などのサービスの中からその人が安全に生活できるような援助が大切。
事例Yのように、一つ出来るようになると次は「入浴したい」「孫の結婚式に出たい」と療養生活上の意欲が向上につながることを知って援助したい。
6グループ
 利用者が興味あることに着目し、できたらほめることが意欲につながる。
また、信頼関係も生まれる。
その為にも利用者の今までの生き方や生活、生きる目標などを知ったうえで、利用者の意思を確認しながら援助していくことが生活リハビリにつながると思う。
 
  講 評
川添先生
 皆さんはシンプルな方法で利用者を自然に理解し、想像力をもつてコミュニケーションを成り立たせている。
コミュニケーションには「言語のコミュニケーション」と「非言語のコミュニケーション」がある。
非言語のコミュニケーションは観察することや気づきが求められる。
一番シンプルな方法として「聞いて・見て・一緒にやってみる」があるが簡単なようで難しい。
生活者の視点を生活の中に入れてみる。
専門性・同じ視点(生活者の視点)を持つということは、その方をその人を理解するというところにつながっていく。
他者性→物をはっきり見させる(人の理解を促進させる)。家族(一緒にいる人)がよき理解者とは限らないことも知っておかなくてはならない。
 
西山理学療法士
 専門職とは利用者に「やれ」といってやらせるものではなく、自然にやるように仕向けていくことである。
「お習字も書きましょう」でなく「字がきれいですね」とほめてあげることも大切。センスや人間性が求められますね。
星山会長
 利用者の日常の生活を細かく観察し、毎日の生活スタイルから出来ること、出来ないことを知る。
そして「何をしたいのか」「何を感じているのか」表情から読み取り「利用者の能力を引き出していかなくてはならない」また、毎日の業務の中に「心のケア」を取り入れてほしい。
本事例から察するところ、5年前の第一回の研修から比較すると、訪問介護員の皆さんのレベルが数段向上していることをしって感激しています。