過去のVOICE 2006.10.1-2007.3.31


2007.3.12 2000シリーズVol.9 磁気状況・2007 Part1 岩渕俊彦×加藤宏司 ギャラリー彩園子T、U

2007.3.9 国立大学法人岩手大学 美術科 卒業制作展×修了制作展 2007 岩手県民会館 第1・2展示室 岩手県公会堂

2007.2.21 このところコメントの更新が出来ないままだった。自分の個展の準備が進まないことが大きい。今回の個展は地元では久々になってしまった。ただ東京ではこの間も数回個展を開いてきたので続いている感覚でもある。そのことが良くも悪くも作用する。2001年のMORIOKA第一画廊の個展から具象性を伴うモチーフを扱う。それは基本的に継続している。具象性がありながら具体性を無化することができないか、そんな相反する意味を内包する絵画をキャンバスに塗ったジェッソを削り落とすという繰り返しの中で希求する。
本日、北上にある諄子美術館に搬入・展示。

2007.2.10 新田コージ作品展 la vie

2007.2.4 無言館所蔵作品による戦没画学生「祈りの絵」展 盛岡市民文化ホール 2月25日まで

2007.1.28 萬鉄五郎記念美術館常設展 収蔵作品テーマ展 岩手近現代美術の流れ シバコレクション展 
萬鉄五郎の生涯展 萬鉄五郎記念美術館 4月22日まで

Y氏のコレクション-U 百瀬 寿展 けやきラウンジ 1月31日まで

エルミタージュ美術館秘蔵 エミール・ガレとドーム兄弟〜フランスからロシア皇帝への贈物〜 岩手県立美術館 本日最終日

2007.1.27 岩渕俊彦 展 ギャラリーla vie

2007.1.20 浅倉伸 展

2007.1.14 ヨーロッパ絵画名作展 山寺 後藤美術館所蔵〜宮廷絵画からバルビゾン派へ〜 岩手県民会館 展示室 2月12日まで。

2007.1.6 元永 定正 展 MORIOKA第一画廊 20日まで。
佐賀勝美 THE SAGAS 岩手県民会館第一・第二展示室 9日まで。

2006.12.24 珍しいキノコ舞踊団「ポインセチア」 岩手県立美術館グランドギャラリー17:00−18:00

2006.12.22 盛岡大学短期大学部 美術専攻ゼミ展 「今のわたし、子どもの私」 ギャラリーla vie

2006.12.13 加茂幸子展 リアス・アーク美術館

2006.12.9 クレー展 創造の物語 宮城県美術館
北川フラム講演会 「日本のパブリックアート」 宮城県美術館講堂
橋本尚恣版画展 浮力の実 ギャラリー青城

2006.12.8 ミュージアム・ホテル計画 杜のホテル仙台

2006.11.26 仏像 一木にこめられた祈り 東京国立博物館
生誕100年記念 ダリ回顧展 上野の森美術館
大竹伸朗 全景 1955−2006 東京都現代美術館
MOTコレクション第3期 特別展示 みんなのなかにいる私 東京都現代美術館
ビル・ヴィオラ:はつゆめ 森美術館
ボロボロ ドロドロ展ー帰ってきた日本のサブ・カルチャー ワタリウム美術館
企画シリーズ 2006 "painters"-vol.5 多田由美子展 トキ・アートスペース
荒木経惟 展 RAT HOLE GALLERY
クリスマス・カード・ショーwith sweets ギャラリー1/f

2006.11.25 −日本の絵本芸術・本の世界− 絵本100年展 萬鉄五郎記念美術館
山本淑子展 Flow vol.2 ギャラリーla vie

2006.11.23 岩手医科大学 写真部展 ギャラリー彩園子
高橋大助展 声になる時 ギャラリー彩園子U

2006.11.19 広野孝男・山スケッチ展「岩手山・三ツ石山・裏岩手」 網張ビジターセンター

2006.11.18 エルミタージュ美術館秘蔵 エミール・ガレとドーム兄弟〜フランスからロシア皇帝への贈物〜 岩手県立美術館

2006.11.10 扇田 克也・ガラス展 諄子美術館 扇田克也氏の作品は盛岡クリスタル画廊や諄子美術館で何度か拝見していたが、岩手での発表回数は思ったより少なく、ここ諄子美術館でも二回目だと聞き意外であった。それだけ扇田さんのガラスを素材にした家をモチーフにした立体彫刻は我々の印象に深く残っている。ガラスと一言で言っても、その種類や溶解温度、色の現れ方は千差万別である。扇田さんの作品の特長はまるで氷菓子のように半透明な、ガラスであることを押し黙ったようなその表情にあろう。ガラスと言えば透明で透過性の高い素材からの特性を思い浮かべるが、氏の作品はあえてガラスの特性をある面で曖昧にする取り組みにも感じる。しかし固体と液体の間で状態を常に変容できるガラスの物質性は、作品におけるキャスティングという工程からも存分に生かされているとも言えよう。今回も家の形をシンプルに立体化した作品群は静かに光を受け入れながら、光に満ちて佇んでいた。家の屋根部分には箔がキャスティングの工程で施され、それが偶然性を大いに引き出し、色彩的表情も再生ガラス(蛍光管などの)を用いるなどの新たな試みにより予期せぬ表情を見せているようである。色彩的にはモノクロームが中心的イメージであったが、ほのかに紫やピンクに色づけされた作品も決して浮き上がって見えずに素材との間の必然的見え方として受容できるように感じられたのも、長年ガラスを扱い、ガラスのもう一つの顔を引き出し続けている作家ならではのものに思えた。

山内正宣展 ギャラリー彩園子

2006.11.3 ロダン展 岩手県立美術館
MICHAL HUDAK展 ギャラリー la vie
杉本さやか画展 ギャラリー彩園子
岩手大学版画研究室展 ギャラリー彩園子U

2006.10.29 アート@つちざわ〈土澤〉公演 雪雄子「鵲草」−丘陵の村から町の路地裏へ−雪さんは昨年村上善男展の際にもこの土沢で舞った。そのときの幻想的でいて確かな存在感が強く印象に残っていた。岩手町の石神ノ丘美術館での追悼(たしか)による舞いは急で伺えなかった。そしてこのアートつちざわでまた出会える機会を得た。当初土沢駅から商店街へという案内であったが、そこはつちざわ、急遽会場が猿舘酒店に変更。お隣の薬屋さんのご主人が自慢ののどで一日中マイク片手に案内をしてくれてるので駅前に行かないですみました。会場の猿舘酒店は通りに面した間口からは想像のつかない不思議な奥行きを持つ。途中倉庫が左右にあったり、中庭があったかと思うと、敷地の奥には離れがあり、蔵もあった気がする。最初店舗の奥の通路から丸見えの仏間から舞踏が始まった。しかし横に長い通路からはその一部が見えるか、まったく見えない。多くの観衆が息をのむ中、少女に還っていくかのような彼女の所作やかすかな鼓動に集中する。やがて通路に下りた彼女は観衆を誘い出すかのように意外に早い動きでどんどん奥へ奥へと遠ざかる。
彼女の姿は観衆にとってもそれぞれの遠い記憶を結ぶかのようだ。大人の知らない時間を持った子どもの動きに思えた。しかしそれは同時にやがて老いていく宿命をも暗示する。
この目で見ているはずの現実の光景が、ときに映像をフラッシュバックで見せられているような不思議なフェード感を伴い時間と空間を曖昧にさえしていく。こういう公演もあまり前ぶれなくごくごく自然につちざわの時間の中で行われるあたりも、この町はいったい何なんだろうかと今更ながら考えさせられます。


2006.10.28 

2006.10.22 街かど美術館アート@つちざわ〈土澤〉勝手にシンポジウム「アート@つちざわ〈土澤〉をわたしはこう見る」 14:00〜16:00 大徹屋(花巻市東和町土沢商店街)
青木茂(美術評論家、前町田市立国際版画美術館長) 浅井和春(茅ヶ崎市美術館長) 是枝開(神奈川県立近代美術館学芸員) 原田光(横須賀市美術館開設準備室長) 平澤広(萬鉄五郎記念美術館学芸員) 水澤勉(神奈川県立近代美術館企画課長) 
五十音順 「アート@つちざわ〈土澤〉街かど美術館」も会期の中盤にさしかかり展を俯瞰する意味でもタイムリーなシンポジウムとなった。当初から予定されていた10月7日と11月4日のシンポジウムのちょうど中間に実施された「勝手にシンポジウム」と題したこの企画は、ゲストも自腹で参加されているとかで、本当にこの土沢をそして萬を愛する評論家、学芸員、館長諸氏によるものであることが、会の和やかな雰囲気からも察せられる。それにしても毎回ゲストは豪華である。会場となった大徹屋(今は閉店した呉服店)では天井から今もぶら下がる「肌着」と大きく書かれた表示の下に諸氏が一列に並び(思わず 笑)、その情景だけでもなんとも土沢っぽい。シンポジウムはゲストが土沢とそこに展開される”街かど美術館”について率直な感想を述べることから始まり、成島毘沙門天をはじめとするこの地域の文化遺産をも巻き込んだアート展開が出来ないかといった話にまで発展し、白熱した。期せずして諸氏の話は、変化している街の現況に耳を傾けながらも「土沢」の地が湛える独自性または特殊性についてふれていた点において何か共通した眼差しを感じさせられた。それは、この街がにわかにアートを受け入れ様としているのではなく、萬を生み出した土地に流れる”アートに対する受容性”とも言える、”地力”というかDNAがすでにここにはあるということに勝手に思えてならない。とは言っても町はこの一年だけでも微妙に変化を見せる。昨年まであった建物が何軒か取り壊され、更地になって次の利用(画一的な近代化や合理主義に向かうのか・・。)を待っている。ますますいたみが増し、自然に崩壊するのを待つしかないような建物も少なくない。また花巻市へ合併したことも記憶に新しい。そんなちょっとした変化にもアートはそして人々は敏感に反応する。皆がここまでの時点で、今年は来訪者が少ないのではと決まって口にする。しかし現時点でデータでは昨年を上回る数の来訪者数(たとえば猿舘酒店さん)とのこと。こうした目に映る風景の受け止め方にしても何か道行く人の数では計れない、街が醸し出す微妙な変化に意識が向かっていることも興味深い。この展が向かう先はだれも定めることもできないし、定まっていない。言える事は「アート@つちざわ」は一般的な展覧会のカテゴリーからしてもあり得ないことだらけだということだ。今回は出品者のジャンルも昨年以上に多岐に渡り、いろいろな意味で層の広がりを見せる。園児の作品から作家と言われる人たちに、趣味の油絵から手芸や中高生の美術の作品まで同じ空間に所狭しと並ぶ。展としては、出品者に対する展示場所の選定の難しさからも決してすんなりとおさまっている印象はない。皮肉な言い方をすれば作品が空間をじゃまをしているようにさえ思えるケースもあると指摘された(ゲストから)。見に来た人にとってアートを介して町を見る(発見する)という感覚であって、出品者の多くも計算外だったのはこの事だったのかもしれない。”アート@つちざわ”とはこの展(この地)に参加(集まった)する多様な或る意味融合し合わない個々の集合にほかならない。そういう意味ではどこかでやっている同様の試みとも違わないとも言えよう。だが、なぜにこれだけの人が集まるのか(出品者、来訪者共)・・・。そこには「アート」を含めた現代社会においてぬけおちた何かを確認しようという自覚をこの地はわれわれに促しているからなのかもしれない。それはどこでもそういう思いに揺り動かされるのではなく、この地に忘れている何かを各々が発見(町を通して)しているのではなかろうか。強度こそちがってもそうした目に見えぬ思いが出品者から、そして何よりもこの町に暮らす人達の中から伝わってくることが小さくとも大きな世界へ繋がる可能性(希望)のように思えてならない。形はかえてもこの展を継続することをかげながら期待する。午後一時半から土沢神楽と石鳩岡神楽の合同公演が街中で行われていた。神楽は日没近くまでも多くの人を魅了した。同じ町の中で耳に飛び込む神楽の響きが「アート」などどうでもよく、とても自然に思えたのも印象的な出来事であった。ここからアートをそして町を見つめなおすことを教えられるように・・・・。

2006.10.15 この間も一二度と土沢通い。今日はやっと次の作品作りをこの土沢で開始。
町は展覧会二週目に入り、だいぶ落ち着き整ってきたという印象。ただ昨年に比べ、人出が伸びていない気がするのはわたしだけか。今回は展示エリアも広がり、人が一箇所にたくさん見ることが少ないのだろうか。思った以上に見る側、参加する側とも前回の作品、そして町が脳裏に焼きつき、今年の在り様を受け入れるのに時間がかかっているのかもしれない。

2006.10.14 〜Life〜 安食功 ギャラリーla vie  
新藤彰一 彫刻展 ギャラリー彩園子T
沢村 澄子展 ギャラリー彩園子 U

2006.10.8 ダンスパフォーマンス「胞」 インスタレーション 鎌田基子 ダンス 中村公美 本妙寺隣り空き地にて

2006.10.7 アート@つちざわ シンポジウム「美術のローカル性とグローバル性」 第一部「地方発アートの可能性」 新田秀樹、高山登、土屋誠一、渡辺豊重 第二部「地方発アートと地域のあり方」 新田秀樹、安斎重男、浜田剛爾、若江漢字 
とても難しいテーマでありあえてここにふれると論点がどういう方向にも流れそうなテーマでしたが、やはり結論は出ず。 この展への出品者はこのテーマが自身の作品に影響を与えているとはそう思えないが。そもそも美術のローカルとかグローバルって何なのかというところで意識の違いがあるのでしょう。
ローカル=少数、グローバル=多数みたいな数的、経済的優位性としての観点やローカルは下位、グローバルがその上に位置するといった潜在的価値基準は、アートにあっても否定はできない現実でもあるわけです。実際美術ジャーナリズムにしても地方から拾う努力はまだまだされていない(知識として入る多くの部分がメディアに誘導される)。
そんなことはわかっていながらも、まぎれもないローカルの代表のようなこの地域からあえて問題提起することは、この展覧会の第一回での手応えを掴んだからなのでしょう。
シンポジウムのテーマが本当に意味を持つのはこの企画が今後どう周囲を巻き込んで捉えられていくかにかかっているのかと思う。
 パネリストの一人で世界中のアートイベントを記録し続ける かの安斎氏もこの町に動かされたようでなんと自身も写真で出品しています。必見。

2006.10.6 アート@つちざわ オープニングパーティー 生憎の雨。それでもこれだけ朝から雨だと諦めもつくのか最初から屋内へ会場変更。晴れていればドキドキパーキング(ネーミングがいい)でにぎやかに行われる予定でしたが。それでもいつもながら展を支え、料理や細々とした心遣いをして下さるこの町の人たちには敬服する。作家も多かったが、町の人たちとこの展覧会の成功を誓い合う和気藹々としたオープニングは出品者も初々しい気持ちになれた。つちざわ泊りも考えたが今日の雨で展示場所がすでに雨漏り。その対策に必要な材料を取りに行く必要もあり、まっすぐ帰ることにした。事実、翌日8時過ぎに雨漏りのため作品を見に来て欲しいと電話連絡が入った。会場を提供して下さるホームスパンハウスの方々も本当に心配してくださっている。朝早くに確認して連絡してくださったわけだ。こういうところもギャラリーでの展示ではないことなのだ。

2006.10.4 田村晴樹 水彩画展 ギャラリー彩園子T、U 10月7日まで

2006.10.2 今日はアート@つちざわでも会期前から積極的に突撃ワークショップをこなしている盛岡市在住の書家 沢村さんに声掛けられた消しゴム版画を10分で完成??。封筒に入れて事務局宛郵送。ちょっと遅れましたが。この版画?1.5cm角の消しゴム(またはゴム板)にひらがなやカタカナ、漢字、数字等を彫り提出すると、会期中に沢村さんの会場に、持ち手のついたはんことしてずらっと並べられ、それを来場者がランダムに選んだりしながら言葉や詩や、文字の連なりをスタンプごっこしちゃおうというものらしい。実際、自分の名前の一文字(漢字)を彫ってみたが意外に難しい。出来は中学生でももう少しましかという感じだが、妙にヘタな文字に愛着がわくから不思議だ。どう使われるかも楽しみなワークショップです。

2006.10.1 アート@つちざわの展示期間というわけで先週の土日から何度目かの土沢入り。一応今日で展示作業は終わり、今週末(7日)から展が始まるわけだが、おそらく出品者の全体では半分くらいの進捗状況だろうか。県外からの作家は予定した滞在期間の中で完成させねばならず、相当ハードだと思うが、県内の作家は、いつでも展示できると(会期までに)思うのか案外出足が鈍いのか。なにせ町内100箇所とも聞く展示場所に180人もの出品者を振り分けるのだから事務局のご苦労も想像できよう。それでも展示場所を回りながら、状況把握しながら適した対応をしてくれる。わたしのように何度もこの地に足を運んでいると(ほぼ現地制作のため)、町のペースや美術館のスタンスがわかってくるが、そうでもない場合、意思の疎通が難しい場面もあろう。だから展示期間の最終日一気にいろいろなことが一度に起こったのではないかと思われる。それでもわたしの展示場所にも古びたコンパネとベニヤ板(古びたが希望)を期待していなかったが軽トラで運んで下さった。まあ、展示場所が昨年より床を張り替えられたりして多少小ぎれいになっていたこともあり、家から朽ちかけたコンパネ四枚他持ってきたが、数枚足りなかったものだから。展示はほぼ完成だか、作品本体に気を使うべきなのに、細かな空間に気が行って、ベニヤの壁の統一感や、部屋から外に出られそうな朽ちたガラスの入った引き戸の存在など。壁はいい具合に古びた調子がそろったが、戸はどうしても開かない。事前にお許しをいただいていたので、事務局のろくさんにも応援いただき、こじ開けようと試みた。釘と楔かでどうにも最初はならなかったが、片方の錆びた南京錠を取り除き、いろいろやってなんとか開けた。あとは戸板を部分的にあり合わせの材料で代えたり。そしてあらたに鍵を見つけなんとか施錠して終了。ここの方にその旨説明して会期中、自分が来ている時だけ開けさせていただきますと説明。やれやれ。こんな細かなことでも、それによって一歩外から窓越しに作品が見られるようになりそうだ。
こんな徒労ばかりだが、同じ会場で展示されるテキスタイルと工芸?の方々は、今日の昼前に来られて、昼食をはさんで午後にはあっという間にセッティング完了で帰って行かれた。それに比べたらわたしなぞ何にそんなに時間がかかるのかと言われそうだが、空間の中でいろいろ条件を自分で変更しながら、たしたりひいたりしているといくら時間があっても足りない。今回も、絵画系の出品者や工芸系の方やいろいろなタイプの作家が集まっていますが、展示のスタイルをインスタレーションと一言で言っても、事前に作ってくる作品本体で作家の意図するものが完結していて、展示はセッティングという感じと、会場の空間からつくる場合の意識はかなり違うのだと思う。昨年、展示した佐々寅さん車庫では空間を変えるところまでいくのは難しかった(もちろん壁を代えたり方法はあっただろうが)ので作品本体に意識が向かい、結果空間とのミスマッチのようなものを自分としては自覚した気がするが、今回は会場となる空間そのものに気が向かう。昨年この会場を使われた真板氏の作品イメージも大きいが、今回は会場前の通路(庭部分?)と内部は二室に分かれての違う作家構成ということもあり、トータルでは少々窮屈な印象になることは避けられない。これは他の会場でも同様のことが起こりそう。
アート@つちざわ〈土澤〉「街かど美術館」は花巻市東和町土沢商店街を中心に10月7日(土)から11月5日(日)まで行われます。各種催し物が予定されています。