筆記用具について
大抵の場合絵の下描きをしますが、その際に筆記用具は欠かせません。
絵の出来や、作業のしやすさに関わってきます。
基本的には使い易さを基準に選んでよいでしょう。
また、下描きだけでなく仕上げに使うこともあります。
鉛筆・シャーペン
一般的な筆記具として下描きに使われる事が多いのはやはり鉛筆やシャーペンです。
最大の利点は消せることでしょう。
共に芯の柔らかさが色々あるので、好みの濃さ・自分の筆圧に合ったものを選びます。
ただし筆圧が強い場合はあまり硬い芯の物を使うと紙に窪みをつけてしまいますので、
使い方に注意が必要です。
鉛筆:
筆記具の代表です。
水彩画の場合は主に下描き(線描き)に使います。
芯の尖り具合についてはいろいろ指導される場合が多いですが、
描いていると
尖った芯が必要な場合も丸い芯が必要な場合もありますので
ハッキリ言って個々の好みで構わないでしょう。
デッサン用に様々な芯の鉛筆がセットになっているものもありますが、
水彩画の下描きでは通常そこまで必要ありません。
シャーペン:
一般的な筆記具です。
絵には使うなと指導される先生も多いようですが、
筆圧が弱い方や筆圧を調整できる方なら鉛筆と違って削り直さなくて済むので非常に便利な筆記具です。
※芯の硬さについて
鉛筆やシャーペンの芯は柔らかい方から主に4B・3B・2B・B・HB・F・H・2H・3H……となります。
基本的に数字の大きいBほど柔らかく、数字の大きいHほど固いと考えます。
同じ筆圧で画いた場合、数字の大きいBが濃く、Hが薄くなります。
また、尖った芯の方が紙を凹ませやすくなりますので、シャーペン使いの場合は筆圧の加減が多少必要です。
※筆圧との関係:
数字の大きいBほど芯が柔らかいため、強い筆圧で描くと濃くなりますし、手について真っ黒にもなりやすくなります。
数字の大きいHは芯が硬いため、弱い筆圧ではほとんど描けない上、強い筆圧で画いても薄く、
さらには紙を凹ませてしまいます。
ただし数字の大きいHで画くと手や紙を汚しにくいです。
ですので、余裕があれば2B程度の芯で線描きを、影などを薄く入れたい場合は2H程度と使い分けるのも良いでしょう。
もちろん筆圧調整ができる方なら2B程度を1本だけでも十分対応できます。
ボールペン・製図ペン
ボールペンや製図ペンも絵の下描きによく使われます。
鉛筆よりもはっきりとした線が最後まで残るので一味違った絵になります。
また、下描きというよりもまずペン画のように仕上げ、そこへ色を乗せるという描き方もあります。
この場合、鉛筆のように塗ることはできないので影のような部分は細い線を縦横斜めと重ねて描き足していきます。
なお、水彩画の場合は絶対条件として『耐水性』のインクが必須です。
ボールペンは昔は油性でしたが最近は水性が主流になりつつあるので注意が必要です。
なお、鉛筆で画いたものの、着色も終わった後に何だか物足りないという時には、
上から軽くペンで主線を足すのも一つの方法です。
ボールペン:
一般的な筆記具です。
カバンやポケットに入っている方も多いと思われます。
強めのタッチで素早く描くと何とも雰囲気のある絵になります。
注意点としては耐水性・油性のインクのものを選ぶことと、しばらく描いているとペン先にインク溜まりができ、
絵にこぶのようなものがついてしまうのでこまめに拭き取ることです。
製図ペン:
デザインペンとも呼ばれます。
様々な太さの物がありますが、細めの物が使い易いでしょう。
耐水性のインクを選びます。
ボールペンと比べると描きやすいのですが、ペン先が傷みやすいので筆圧が強い方は注意が必要です。
苦手とする紙質が少ないのも利点です。
その他のペン:
つけペンも絵によく使われます。
柄にペン先を付け替えて使う昔からのペンです。
筆圧による線の強弱の変化が出やすく、面白い線になります。
サインなどに使うとおしゃれかもしれません。
かぶらペンやGペンと呼ばれるペン先の物が比較的使い易いです。
製図用あるいはデザイン用の耐水性インクを選びます。
柔らかい紙・画用紙などの紙面では若干引っ掛かりやにじみが出る場合があります。
消しゴム・練り消し
消しゴムも当然必要になります。
注意すべきは、あまりごしごしこすって紙を傷めないようにすることです。
そのためあまりに硬い消しゴムは避けた方が無難です。
また、練り消しもよく使われます。
消しゴムカスを落としてはいけない場所は練り消しを持っていくと良いでしょう。
※練り消しの使い方:
消しゴムのようにこすって消すものではありません。
必要な分を取り、使い易い硬さに練り、
消したい部分に押し付けるようにして鉛筆の粉を練り消しに移し取ることによって消します。
この方法ですと紙の表面を傷めにくいのが利点ですし、消しゴムカスが出ないため、
公共の場所や遺跡など特にゴミを落としてはいけない場所で画く時にも考慮のうちに入ります。