ルン・リボン洋裁店 | ツバメのリボン

about_us.html
link.html
home.html
shop.html
https://ppb.stores.jp/#!/inquiry
showcase.html
about_us.html
home.html
shop.html
https://ppb.stores.jp/#!/inquiry
link.html
 

ンとなかよしのチッチ、

ちいさなリボン洋裁店、

そして ツバメの一家のものがたり。

ゴンドラナの西のはしにフルージュという国があります。

フルージュでは道ゆく人々はもとより、

路地裏の猫たちまで帽子をかぶったりコサージュをつけたりして着飾っています。

ルーヌ・ランティーヌの家は、そんなフルージュにある仕立て屋さんです。

ルーヌ・ランティーヌは、洋服作りをしているおかあさんを見ながら

いつもワクワクしていました。


「 ルン、わたしになにか作ってよ 」

いつのまにか、なかよしのチッチがルーヌ・ランティーヌの部屋の窓からのぞきこんでいます。

“ルン”はルーヌ・ランティーヌの愛称です。

ルンはチッチにも気づかず、おかあさんにもらった美しい布の切れ端をならべて眺めていました。

「 あ、チッチ! … リボンはどう

ルンはチッチに似合う色の布を選ぶと、さっそくリボンをひとつ作りました。

それから自分にも。それぞれにリボンをすると、鏡を見てニッコリ。

そしてふたりは町に出かけていきました。


町の公園に着くと、すぐに子供たちが集まってきました。

「 そのリボンすてき」「 それどうしたの

フルージュの子供たちはお洒落に敏感です。

「 ルンが作ったんだよ 」チッチは、ひげをピンとさせて言いました。

「 いいな〜 」「 わたしにも作って 」みんな口々に言います。

チッチはルンにウインクすると、パンパンと手をたたき、

大声で「 はいはい、じゃ並んでー

あっというまにルンの前に行列ができました。

そして、大はりきりのチッチを先頭に、

ルンの家までみんなで行進です。


さぁ、ルンは大忙し。

町の子供たちは、ワクワクしながら

自分の順番が来るのを待っています。

その様子にチッチもワクワク、

リボンを作りながら、ルンもワクワク。

それぞれに似合う色や柄を選ぶと、

次々とリボンに仕立てていきました。


いつしか、ルンのリボンの噂は、フルージュの国中に広がりました。

ある日は、ヤマネコがやって来て、「 あたいにもひとつ作ってよ 」と頼みます。

お次は、ヒョウのマダムの登場です。「 わたくしに似合うリボン、作れるかしら

とうとう、トラの親子までもが、「 われわれにも、ぜひ」なんてやって来るのです。

これには、ルンもおかあさんもチッチもおっかなびっくりです。

首回りを測るとき、ルンの心臓は口から飛びだすくらいにドキドキしていましたが、

トラの親子はとても紳士で、きちっと前足をそろえて行儀よくじっと座っていました。

ヤマネコやヒョウやトラは、リボンのお礼にと、

子供たちのあいだで人気のキツネのボタンをたくさん置いていきました。


ルンのところには、毎日のように、子供や森の動物たちがやって来ます。

ルンのおかあさんは、入り口にちいさな看板をかけてあげました。

ルン・リボン洋裁店  上から  size  :(左)20×19mm (右)24×17mm / material  :  銅、七宝 ( 2014 )

ルン・リボン洋裁店  上から  size  :(左)21×20mm (右)23×23mm / material  :  銅、七宝 ( 2014 )

ツバメのリボン    上から  size  :(左)28×32mm (右)24×30mm / material  :  銅( 銀箔貼り 、七宝 ( 2014 )

ルン・リボン洋裁店には、毎日のように子供や森の動物たちがやって来ます。


「 ルン、ツバメさんのリボン作ってよ 」

いつのまにか、なかよしのチッチがルンの部屋の窓からのぞきこんでいます。

ルンはチッチにも気づかず、リボン作りに夢中になっていました。

「 あ、チッチ! … ツバメさん

チッチの頭には、きっちりと正装をしたツバメのおとうさんがとまっていました。










「 ルンさんはどんな動物にもお似合いのリボンを作ることができる!

と存知あげております。そこでお願いがあるのですが … 。

今年生まれた5羽の子供たちが、おかあさんのおなかの中に、

わたしたち家族のトレードマークである胸の赤えりを忘れてきたようで、

みんな胸が真っ白なのです … 。どうか初夏の巣立ちまでに、

子供たちに真っ赤なリボンを作っていただけませんか

ツバメのおとうさんはていねいにおじぎをしました。

ルンも思わず背筋をただして「 よろこんで」とはずかしそうにこたえました。

ツバメのおとうさんはうれしそうに羽をふるわせて、

もう一度深々とおじぎをして飛んでいきました。

チッチは頭をかきながら笑っています。


ルンはさっそく上等の真っ赤なビロードで、ちいさなちいさなリボンを作り始めました。

真っ赤なビロードで4つまではできたのですが、どうしてもあとひとつ分の布がたりません。

「 どうしよう … 」

ルンが困っていると、チッチが「 この色もすてきじゃない」と濃いローズ色の布を差し出しました。

ルンは巣立ちに間に合わせるため、ひとつだけ色違いのビロードで仕上げることにしました。


リボンが5つ仕上がると、ルンはチッチといっしょに急いでツバメの巣に持っていきました。

ヒナたちにリボンを見せると、一番ちいさなヒナが「 わぁ、すてき。わたしこれがいい

とローズ色のリボンをくわえて、チッチの頭にとまりました。

ルンとチッチは顔を見合わせてニッコリ。

ほかのヒナたちも、それぞれに赤いリボンを結んで大喜びです。

口々にお礼を言いながら、ツバメの一家は北に向かって旅立ちました。

手を振るルンとチッチの上を、赤とローズのリボンをつけたツバメたちが飛んでいきます。


毎年初夏になると、ツバメの一家がルン・リボン洋裁店へ、

遠いところからのリボンの注文を聞いてきてくれます。

もちろん仕上がったリボンを届けてくれるのも、

あのツバメたちです。




まもなく初夏です。

http://www.creema.jp/exhibits/show/id/568455
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/568470
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/568459
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/568478
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/568569
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/568573