〜Le Monde〜 水彩風景画の簡単な描き方
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シュヴァンガウの馬車

作品情報:


ノイシュバンシュタイン城への往復を担う馬車です。
昔の貴族の館を改修した宿屋や土産物屋が立ち並ぶ駐車場から坂道を登ります。
ここを訪ねたのは2回目で、この日は早朝に降りた霜と風花で、景色が淡い銀色のベールを纏って透けて見え、 とても幻想的でした。
遠くに霞んでいるのは、すぐ脇の斜面にあるホーエンシュヴァンガウ城です。
ぜひもう一度訪問したい場所です。
(むしろ白鳥城よりもこの広場を散策してみたいです。とても素敵な場所です)


使用画材:


絵の具:
ヌーベルプチカラー
ホルべイン


紙:
B6画用紙(図形印刷)


筆:
ミニリセーブル4号(ホルべイン)



制作ポイント:


鮮やかなブルーグリーンの幌(ほろ)と黒い車と馬、銀色味を帯びて輝く景色の対比が美しいので、 色彩によるメリハリが欲しくなりました。
馬車は現地語でワーゲンですが、 辺りを見回すと馬車のメーカーロゴはフォルクスワーゲン以外にもベンツやら何やらいろいろなマークが……。
遠景は色彩が淡く輝いていてはっきり見えませんが、霞んでいるわけではないので、あまりボカシは使っていません。
ですので、黄色い城は輪郭はぼかさず、大まかな形を極薄い色でさっと描くにとどめました。


中景の木々(城への斜面)は、覆われた霜で色彩が乱反射しているので、様々な色を置いてみました。
12月ですので木々は丸裸ですが、樹皮の色も様々なようで、なかなかにカラフルです。
褐色系を中心に、黄色やピンク、青を差してみました。


真ん中の木はこの切り取った風景の中では絵のシンボルのような役目を果たしています。
勿論メインは馬車なのですが、この木があるのとないのとでは絵の雰囲気が変わると思います。
木のシルエットも、日本にない木なのか、ヨーロッパの木のシルエットは目新しく感じます。
この木のシルエットはいかにもヨーロッパの木という感じがして好きです。


馬車の幌の色は、私の好きな個人的三原色(ウルトラマリン・クリムゾン・イエローオーカー)では作れない色なので、 大人しく出来合いの青と緑の混色をベースに作りました。
ただし、黒はいつもの3色混色です。
黒絵の具は使っていないのですが、なかなか濃い黒が作れたかなと思っています。


ひとことメッセージ



  
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