〜Le Monde〜 水彩風景画の簡単な描き方
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描き始める前に
まず描き始める前に頭に入れておくと楽なことをまとめてみました。 このページの下部になります。

下描きまでのコツ
構図を決めるまでや下描きで楽になるコツをまとめてみました。

着色のコツ
悩みが多いといわれる着色や絵の具の使い方についてまとめてみました。

その他のコツ
Coming soon…


まず描き始める前に:


ここでは気軽に簡単に描くためのコツをご紹介します。
あくまで管理人個人の裏ワザ的なものなので、基本的な技法等についてはここでは触れません。
ただ、ここで紹介するコツも覚えていて損はないと思うので、どんどん試してください。

初心者の方もいらっしゃるかと思いますので、まずは始める前の段階として、覚えておくと楽なこと・ 最低限必要な画材・荷物について・描く場所・どうやって描くかについてまとめました。


覚えておくと楽なこと:


まずお伝えしたいのは、絵を描くのはとても楽しいということ。
楽しく描くためには……難しく考える必要はありません。 描きたい絵を描きたいように描くのが一番です。
気合を入れて描いたりあれもこれも描き込んだりすると、いかにも絵です、一所懸命描きました、 と力説しているような作品になってしまいます。
ですので、気楽にささっと、そして適度に手を抜きながら描くと、生き生きとした良い作品が描けます。


気楽に描くためのポイント:
1.描きたいモノを描く
2.邪魔なもの、描けない物は省く
3.疲れたらやめる
4.力を入れずに適当に手を抜く
5.余白、塗り残し上等


なお、作品紹介ページにも各作品ごとの制作のポイントを載せていますので、あわせてご覧ください。



最低限必要な画材:


趣味に絵を描く方が増え、最近では画材屋さんの品揃えも豊富になってきました。
ですが、あれもこれも欲張って揃えていてはきりがありません。
最初は少ない画材だけで間に合います。
他の画材は欲しくなったら買い足す感じでよいと思います。


必須と思われるもの:
・絵の具(青・赤・黄の3色とお好みで数本)
・紙
・パレット
・筆(0号丸筆・4号丸筆・8号丸筆・12号平筆からお好みで選択)
・水と水入れ
・布もしくはティッシュ


※画材のお勧めは別ページをご覧ください。



屋外スケッチの荷物を減らそう:


絵の具というと学校で配られる絵の具セットを思い浮かべる方も多いですね。
12色の絵の具セット、大きなパレット、水バケツ、大量の筆……。
ひどい場合には、絵の具は普通の水彩絵の具なのに、岩彩(もしくは顔彩)用の重い陶器のパレット、 洋筆と和筆が両方とも大量に入っている……なんてことも実際にありました。
写生大会のたびにこれらの重い荷物を持ち運んだ思い出があります。
ですが、実際にはそんなに荷物はいりません。思い切って減らしましょう。
減らすコツは……


1.絵の具はバラで持っていく。
実際に使う絵の具は極端な話、赤・青・黄の3色で全てまかなえます。
不透明水彩の場合はここへ白が加わりますが、それでもこれだけの本数で済みます。


2.筆は描きたい絵のサイズに合わせて選ぶ。
大作を描く場合は広い面積を塗るための太筆が必要ですが、 小さい絵の場合は必要ありません。
ノートサイズ前後であれば、4〜6号の丸筆を1本と、どうしても必要ならばさらに細密描写用に0〜2号の丸筆が1本あれば足ります。


3.水バケツは要らない時もある。
これも大作を描く場合は必要ですが、小さい絵の場合はそんな大量の水は必要ありません。
プリンのカップ程度で十分です。
水と水入れと筆洗を全部別にしている方もいますが、濃い色をベタベタ塗らなければそんなに水も 汚れないので、これらすべてを1本の小さなペットボトルでまかなうことも可能です。
絵の大きさがポケットサイズのスケッチブックやポストカードくらいなら、写真のフィルムケースがお勧めです。


4.パレットと絵の具を合体する。
一番手っ取り早く荷物を減らせるのがこれ。
パレットの絵の具置きの所に絵の具を搾り出し、乾燥させて固形化します。
いわゆる固形水彩という絵の具と同じ状態です。
生絵の具のチューブを踏み潰して……などのアクシデントからも守れます。
最近ではポケットサイズの固形絵の具&パレットセットも出ています。
これらを利用するのも便利です。



描く場所について:


最初のうちは屋内で写真等を見ながら描くとよいでしょう。
室内で描く利点は、


1.雨が降らない
2.光の量と向きが一定である
3.虫に刺されない
4.いつでも中断・再開が出来る
5.荷物を持ち運ばなくて良い


ただし……よく耳にする失敗もあります。
絵とは直接関係なく、どちらかというとお笑いの類ですが、アマチュアはおろか、 ベテランやプロでもやってしまうそうです。
それは、画材の脇においていた湯呑み、つまりお水やお茶やコーヒーに筆を浸けてしまう、というものです。
……ちなみに私もやりました。
実はこれは笑っている場合ではありません。
絵の具には毒物であるシアンやカドミウム等が使われている色がたくさんあります。
くれぐれも筆を浸けたものを飲まないように注意してください。


慣れてきたら屋外でスケッチを始めるのも良いでしょう。
屋外スケッチの利点は


1.奥行き、距離感がわかりやすい
2.微妙な陰影が見える
3.開放感がある、臨場感がある


欠点は


1.雨や風に悩むことがある
2.光の向きと量が変化する
3.虫や動物に注意が必要
4.視点の移動に注意
5.マナーに注意


1.に関してですが、水彩絵の具の場合、雨に当たると絵の具が流れてしまいます。
(アクリル等の耐水性の絵の具の場合のみ、一度乾いた後なら濡れてもさほど問題ではありません)。
風で紙がめくれたり飛んで行ったりすることもあるのでこれも対策が必要です。


2.に関しては、屋外スケッチで一番問題な事の一つが光の変化です。
描き初めのころは左向きだった影が、いつの間にか右向きになっていたり、 晴れが曇りに変わって影が消えたり全体の明るさが変化したりして、その度に描き直していると、 不自然な絵になります。
描き初めの状態の光の具合を覚えておいて、最後までその状態で描いてください。


3.に関してはそのまんまです。
特に水辺や山、野原などは虫が多いので可能ならば長袖があると良いでしょう。
また一部ではサル・アライグマ・熊が人里まで下りてきていますので、人家が近いといっても油断は禁物です。


4.の視点の移動は、絵で最大のミスになりがちなことで、例えば座って描いていたのが途中で立ったり、 細部が見えないので近くへ移動したりして目の位置が変わると、対象の見え方が変化してしまい、 描いた絵に矛盾が生じてしまいます。
描き始めたら最後までその場所で描くのが鉄則です。
見えにくい物は描かなくて構わないのです。


5.のマナーに関しては、絵を描くのに夢中になってしまい、歩行者の通行を妨げていたり、 気が付いたら他人の庭や畑へ入っていたり、というのがよく耳にする例です。
くれぐれも周囲には気を配ってください。


屋外スケッチでも時間がない場合や雨が降ってきた場合は、 写真を撮っておいて室内で描くのも有効です。
それでも屋外で下描きができる場合は、色の指定や影の向きを絵の中に鉛筆で薄くメモしておくとよいでしょう。



どうやって描くか:


水彩画には大雑把に分けて透明水彩と不透明水彩があり、それぞれ技法が違います。
(このサイトでは透明水彩を基本として情報を乗せています)。
一つの絵は完成間際まで一つの技法に統一したほうが不自然な絵になりにくいです。


また、描く前に、その絵はラフなタッチと塗りにするのか、それとも展覧会に出すようなきっちり描くものにするのか等、 その絵のスタイルをイメージして置いて、描き終わるまでそのイメージを保つことも良いでしょう。
ラフな感じにしようと思っていたのにいざ描き始めたら熱中してしまい、途中からみっちりと描きこんだ絵になってしまった、 とか、きっちりした絵にしようと意気込んで描き始めたものの途中で疲れてしまい仕上げが乱雑になった、 などということはよくあります。
途中で休憩を挟む、場合によっては続きは後日にするなど、臨機応変に仕上げると良いと思います。



ひとことメッセージ



  
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