ある日をきっかけに、トト屋のマルコにお花を届ける猫たち。

マルコは驚くやら、うれしいや

夜から花屋さ シリー、おはなしと一緒にどうぞ。

トト屋のマルコは朝早くから獲れたての魚を売っています。

お昼まで残った魚は、いつも遊びに来る猫たちにあげていました。


ある日、一匹の三毛猫がお礼にネズミをくわえて持ってきました。

マルコは笑って「ありがとう」と言うと、

あとでこっそりネズミを逃がしてやりました。


すると、翌日、

あの三毛猫が花を一輪くわえて持ってきました。

マルコは驚くやら、うれしいやら、

笑って「ありがとう」と言うと、早速、店に飾りました。

三毛猫はなんだかうれしそうに帰っていきました。


その次の日から、

ほかの猫たちもそれぞれ花を一輪くわえて

持ってくるようになりました。

マルコはびっくりして、笑ってしまいました。


それからというもの、魚が並んでいた店先は、

お昼からひとつ、またひとつと、花が並んでいくようになりました。

魚がたくさん売れ残った日なんかは、夕方には花でいっぱいになりました。


そのことは、町中の噂になり、夕方になると仕事帰りのお父さんや、

これから恋人に会いに行く男の子がやって来ては、

花をひとつもらっていくようになりました。

それというのも、そこには彼らのために置いてあると思う花が、

必ず一輪見つかるのです。


いつしか、マルコのトト屋は

「夜から花屋さん」と呼ばれるようになり、

その町で知らない人はいないくらいになりました。

夜から花屋さん  バラと茶トラ size  :  42×40mm | バラをくわえた白猫 size  :  37×18mm | キンポウゲとアビシニアン size  :  49×35mm

夜から花屋さん  バラと黒猫 size  :  36×47mm | バラと白猫 size  :  42×33mm | モクレンとキジトラ size  :  41×37mm

夜から花屋さん  material( すべて共通 ) :  銅、七宝 ( 2012 )

http://www.creema.jp/exhibits/show/id/166202
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/166228
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/166238
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/166223
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/166235
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/166209