〜Le Monde〜 水彩風景画の簡単な描き方
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ヴァッハウ渓谷遠景

作品情報:


オーストリアの風光明媚なヴァッハウ渓谷の風景です。
渓谷といっても日本のような急流と崖ではなく、穏やかで広々としています。
ブドウ畑が水田の棚田に見えたり。
時間がものすごくゆったり流れていそうな雰囲気ですね。


使用画材:


絵の具:
ヌーベルプチカラー
ホルべイン
ウィンザー&ニュートン
ヴァン・ゴッホ


紙:
コットマン細目(※現在のヴィフアール)


筆:
ミニリセーブル4号(ホルべイン)



制作ポイント:


遠景で広々ゆったりした構図なので、描き込みもせずさらっと描き流します。
あまりくどく描かない方が良いと思ったので。
こういう構図は一点透視などの遠近がつけにくいので、遠くをぼかし、色合いも淡くして距離感を出します。
日本でも遠くは空中の水蒸気で霞んで見えますが、そのような効果を狙います。
地中海のような空気の乾いたところの風景だと違和感があるかもしれませんが、 ここは水気も多そうなので良いでしょう。


初めて使う紙のテストも兼ねていました。
今回使ったのはコットマン(現在のヴィフアール)の細目。思っていた以上に滑らかな紙目です。
サラサラ描くのにとても適していました。


全体的に明るい緑が多いので、ヌーベルのグリーンや黄緑、レモンイエロー、 さらにウィンザー&ニュートンのセルリアンブルーを加えます。
ベースはいつもホルベインのウルトラマリンを使っているのですが今回はヌーベルの普通のブルーで。
こういった色を淡く使うと、透明水彩らしい風合いになります。
(中景の左端の川に面した木付近がわかりやすい?)
木々や遠くの家は点を打ちます。遠くから見ると家や木に見えるのが不思議。


町並みや小屋の屋根の鮮やかな朱色は、最初ヌーベルやホルベインで描き始めたのですが、 色が埋もれてしまったので思いつきでヴァンゴッホを使ってみました。
思ったとおり、鮮やかな発色になりました。
かなり薄めたのですが、それでも周囲と少し浮いているかもしれません。


※この作品は制作手順を公開しています。    【制作の手順はこちら】


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