水彩画を描いてみよう2
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〜風景画 遠景〜
今回は左の絵を描く過程を紹介します。
あまり難しいことはせず、簡単に描けますので参考にしてください(制作時間約1.5時間)。
使用画材:
・ホルベイン透明水彩
・ヌーベル透明水彩(固形)
・ウィンザー&ニュートン透明水彩
・ヴァン・ゴッホ透明水彩(固形)
・水彩用紙(コットマン細目)
・B2シャーペン、消しゴム
→画材について
→画材ショップリンク
※W&Nはセルリアンブルー1色のみ使用
※ヴァン・ゴッホはカーマイン1色のみ使用
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コツと裏ワザ
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1.鉛筆(シャーペン)で下描きし、空から塗り始める。
このような風景は遠くもしくは広い面、あるいは色が薄い部分から塗り始めます。
なので今回は空からになります。
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ウォッシュ:
ここではウォッシュという塗り方をします。
たっぷりの水で薄く溶いた絵の具を一気に広げます。
水彩絵の具では基本となる塗り方の一つなので覚えておくと良いでしょう。
空や遠景の海など広く平らな面を美しく仕上げることに適しています。
ウェットインウェット:
絵の具が乾かないうちに次もしくは隣の色をおいていく塗り方で、やはり水彩では基本となる塗り方の一つです。
最初の色と次の色が紙の上で自然に馴染みあいます。
この空はウォッシュとウェットインウェットを併用して塗っています。
まず空の上方を青系の色でウォッシュ。
次に、上の青が乾かないうちに中間から下を、より薄い青系の色でウォッシュ。
最初の青と次の薄い青への継ぎ目がウェットインウェットということになります。
上の青と下の薄い青が違和感なく自然に混じり合っています。
空:ウルトラマリン+ブルー+セルリアンブルー
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2.中景を描く
空が乾いたら遠景の山から手前のブドウ畑までの緑をさらっと描きます。
塗り広げるのではなく筆先でサラサラ描くつもりで色を置くと良いと思います。
ブドウ畑なので畝が波打っていますので、その模様の向きに筆を走らせます。
遠景の山、遠くのブドウ畑、近くのブドウ畑など、緑は緑でもそれぞれに色味が異なります。
青や褐色など、違う色をかすかに加えて変化をもたせると味わいが出ます。
山:ウルトラマリン+ブルー+セルリアンブルー+グリーン+イエロー
最初にグリーンとイエローの混色で下塗りをし、その上にブルー系の混色で重ね塗り
畑:イエローオーカーとグリーンの混色と、グリーンとライトグリーン系の混色を、まずウェットイン
ウェットで広く塗り、乾いたら上から畝の向きに描き込みを。
ブドウの葉が濃い場所はグリーンを強めに、下草や地面が透けて見えている場所は褐色系を
強めに。
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3.遠景〜中景の木立に色を置いていく
ブドウ畑を塗った緑よりも暗いグリーンの混色で、
筆先で点を躍らせるように木立を描きます。
左/拡大画像:筆先の形が残る
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木:ウルトラマリン+イエローオーカー+ブルー+グリーン
※青みが強い混色と褐色風味の混色を組み合わせ
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4.近景を書き込む。
手前のブドウ畑と下草を描き込みます。
ただし今回は基本的に遠景の風景スケッチなので、緻密に描く必要はありません。
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植物は生えている向きに筆先を動かすとそれらしく見えます。
ブドウは木が上に伸び、枝が横に張り出し、そこに葉がついていく構造です。
ですので、木の向きである上方向に筆先を動かして色を置き、乾いたら影を葉に合わせて
点を躍らせるように軽くつけていきます。
下草も葉の伸びていく方向に筆を軽く走らせます。
もちろん真上を向いているわけではなく、葉の重みで自然に横や下へ流れていますので、
草株ごとの向きをよく観察。
ブドウ畑:ウルトラマリン+イエローオーカー
※青を多めで黄緑風に。
下草:ウルトラマリン+イエローオーカーもしくはバーントシェンナー
石積み:ベースをイエローオーカー主体の混色、影をブルーグレー系の混色
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5.遠景の町並みを描き込む
遠くの町並みの屋根が今回の絵で唯一、色の雰囲気が違います。
こんな場所は絵の最後の方で周りと見比べながら色を置いていくと浮きません。
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上の画像を見てください。
画像は拡大していますので、実際には本当にただの色がついた点々です。
これが実物の絵だと町並みに見えてしまうのだから不思議です。
筆先でチョンチョンと色を置いただけです。
このような緑の中に浮かぶ町はヨーロッパの風景でよく見かけますが、
遠景の場合にはこのような描き方で充分です。
赤系の点々と緑系の点々だけで町が出来上がりました。
屋根:クリムソン+イエローオーカー
カーマイン+クリムソン+イエロー
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6.仕上げ
このようなさらっとした遠景スケッチでは特に細かい書き込みは必要ありません。
仕上げとしてはせいぜい影を濃くする程度ですが、このような絵ではあまり濃くすると画面がしつこくなりますので控えめに。
細かい部分として、中景にある一軒家と木、
手前のブドウ畑から突き出る支柱を描き加えて完成です。
もちろんサインも忘れずに。
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上手そうに見せるには
【自分も遠景で見る】
遠景の風景は、自分も紙から遠景の位置にいると思って描くと良いです。
近場ですとツイ色々と描き込んでしまいますが、遠景の風景は細かいところまで元々見えないのですから、
細かく描く必要は本当はないのです。
こういった絵は完成した後も近場で見るよりも遠くから見たほうが見栄えがします。
そのため、描いている最中にも時折、紙から離れて見て確認すると良いでしょう。
【空気遠近法】
このような風景では一点透視や二点透視があまり使えません。
こんな場合に重宝するのが空気遠近法です。
手前ははっきりと、遠くになるに連れて色は薄く形はぼんやりと、
最終的にはかすんで消えるくらいのつもりで描くと良いでしょう。
とはいえ描くのは色の薄い部分、つまり遠くからになります。
ですので、描き初めには特に色の濃さに注意が必要です。
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プロフィール |
H.N:ら・もーんと
出身地:北関東
年齢:大台突入
趣味:
イラスト・水彩画・音楽鑑賞
楽器演奏・旅行・読書・創作
ゲーム・パソコン
……と、居眠り♪
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お気楽ずぼらな上に、体力ナシでほとんど家にこもりっきりなので、家の中でも出来る趣味などを、
無理しない範囲でのんびりと紹介していきたいと思います。
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